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洞窟ホームレス株式会社VSFXマルチ商法詐欺

洞窟ホームレス株式会社VSFXマルチ商法詐欺

文章のみの4クルー目の11

「ダッチロール」)
「ダッチロール」というのは、航空機がヨー方向とロール方向の振動を繰り返す現象だ。
1985年(昭和60年)の日航ジャンボ機墜落事故でテレビで使われた。
ダッチロールによる機体の揺れの後、墜落し、520人の犠牲者を出した。

林太郎さんはこの時期、「ペコちゃん」を調べていた。
最初は、1949年の9月のアメリカの雑誌にBIRDSEYEという食品メーカーの広告にペコちゃんを見つけたことにはじまる。
http://photos.yahoo.co.jp/ph/sendainiki20/lst?.dir=&.view=t
不二家の歴史を調べると、このように書かれている。
当時の社長が、日劇ダンシング・チームのだし物『真夏の夜の夢』に登場した張り子の動物を見て人形化を思いつき、子牛の愛称べこを西洋風にアレンジして名付けられた。
「ペコ」「ポコ」という名前そのものは、あの顔のキャラクターが生まれるよりもはるかに前、戦前の'39年ごろすでに不二家にあったもので、実は室町時代の古語をもとにした。

 あの顔のキャラクターは? というとミルキーの発売と同時、外国雑誌のさし絵からヒントを得たもので、まずペコちゃんが生まれ、ポコちゃんはペコちゃんから派生して作られた。「ペコちゃんたちのお父さんやお母さんをと考えたこともあったが、それではお祖父さん、お祖母さんはどうだ、伯父さん、伯母さんはどうだと言い出すと、天文学的な数字にもなりかねないし、第一ややこしいというので、とりやめに決まった」と、書かれている。
「外国雑誌のさし絵からヒント」。ヒントというのが、これか?
まんまではないか??
一方で、不二家のホームページでは「コンテンツにペコちゃん、ポコちゃん、ドッグを扱ったホームページをお考え(又は公開中)の皆様へ」として、こうある。
上記のキャラクターにつきまして、著作権は株式会社不二家に帰属します。したがって<(1)著作権について>の内容同様、弊社に無断で上記キャラクターを使用したサイトを運営することは、著作権の侵害になります。
「著作権」というものを知らないわけでもないようだ。
調べていくうちに、この本家ペコちゃんは「メリー」という名前だということがわかった。

似た例では「キューピー」というものがある。
米国人ローズ・オニール(Rose O'Neill)が1909年作品として、「キューピー(Kewpie)」のイラストを創作し、米国の雑誌「Ladies' Home Journal」1909年12月号に掲載したとして、「キューピー」を使用した日本の企業が訴えられたというものだ。
この「キューピー」、実は、その発表の前に発表された「ビリケン」のパクリではという意見もある。

ペコちゃん「メリー」の図柄をいったい誰が書いたのかはわからないが、この「メリー」は ゼネラルフーズという法人著作物となっていて、アメリカ合衆国の著作物の保護期間内なのだ。
つまり、
バーズアイは生きている!
ペコちゃんの著作権は不二家にはなく、”クラフト・ゼネラルフーズ”にあるのでは?
ということなのだ。
また、「ぺコちゃんが生まれたのは「ミルキー」発売の少し前、
アメリカの雑誌に出ていた女の子を漫画的に誇張して図案化されました。
女の子がいれば男の子もということでポコちゃんが誕生。」とあるが、ポコちゃんまで見つかった。「女の子がいれば男の子もということでポコちゃんが誕生」って、誕生っていうのか???
いずれ、そういうことで、コハルと一緒に林太郎さんは「メリー」のデザインを起こしたりしていた。

しかし、結局、それも中折れ。こうした「ダッチロール」企画がずいぶんあった。
みんなはホンキでなんとかしたいと思っていた。でも、から回りしていた。

ちなみに、ペコちゃんについて問い合わせたが、「資料が残っていない」ということでわからないという。

自転車ツアー)
林太郎さんはリンちゃんと、写真を撮りながら仙台の誰も知らないような場所などを自転車を並べて取材してまわった。
とくに、昔の住宅地図と合わせて、高齢者の住んでいる古い家をたずねて、昔の話の聞き取りもしていった。
アツシがその取材データに落とす手伝いをしていた。

高齢者は話してくれる。家族にすれば「また、いつものおじいちゃんの昔話がはじまった」と敬遠されるような話らしい。また、それはものの数行でオワリ、自分史や小説にまとまるようなものではないにしても、だれも知らない「事実」がそこにはあった。
たとえば、こんな話がある。
七十七銀行の明治後期に建てられたレンガつくりの建物は現在はない。レンガといえば、盛岡の盛岡銀行や、東京駅のようなレンガ色がみんなのイメージだ。現に、七十七銀行の所蔵している昔の七十七銀行の油絵はレンガ色に描かれている。
ところが、新聞記事を見ると黒色レンガとあるのだ。そして、そのどちらが正しいのかは、七十七銀行の昔の白黒写真を見ても判断はできない。
ところが、戦前その向かいに住んでいたおばあさんから、その話を聞くことができ、「それ」は黒色だったことがわかった。
ある高齢者からきいたことが、別な高齢者の話につながっていく、謎は深まり、また、謎が解けていく。これは、なにかに活かせないんだろうか?と林太郎さんは思っていた。
同行して、現在の仙台の写真を撮影するリンちゃんの写真も7000枚を越えた。
林太郎さんは古地図をベースに、こうした場所をプロットしたらおもしろいんじゃなかと話した。昔、仙台の向山に大きな涅槃像が横たわり、青葉区役所のところには火の見櫓があった。
「古地図を使ってWEbのコンテンツが作れないかと思ってるんだ。これは間島社長にも提案したんだけど、あのひと聞いてるんだか聞いていないんだか…。それほど積極的じゃない。マイナスイオンよりもよっぽど現在の業務に関係あると思うんだけど。」「古地図をどうするの?」
「仮想都市として捉えたほうがいいと思うんだけど、江戸、明治、大正、昭和って、4つの時代の仮想土地のMAPにするんだ。そこを訪問者は歩くことができる」「それって、セカンドライフみたいな感じじゃないの?」「いや、その前に発案しているんですよ。実際、その企画だけは商工会議所でのWEBコンテンツ応募のときに、優秀者無しの入賞になっていて、現在の商工会議所のWEBはその考えの一部を取り入れて『現在』『過去』『未来』で運営しているんだから」「ただ、基本的に、はなからバーチャルじゃなく、リアルをまじえていくんだよ。」
「たとえば、老舗なんかは優先的に、先代がひらいていた場所を買ってもらってそこで独自にものを販売したりとか」

地図
リンちゃんキャバクラに)
林太郎さんが、リンちゃんのカネをあてにしはじめている自分に気づいたころ、リンちゃんは風俗の職種をデリヘルからキャバクラに変えた。
リンちゃんの入金がおくれたときに、林太郎さんがイライラしたことで、「なんてこと?」と自分で思った。
リンちゃんはもともと頭のいい子なのだろう。ほどなくキャバクラでトップクラスに上がっていった。

ヌマさん「すごいね、リンちゃんも」
アツシ「リョウさんが智恵つけているらしいですよ」
ヌマさん「どういう?」
アツシ「たとえば、指名本数を増やす方法とか」
ヌマさん「どうするんですか?」
アツシ「言ってたのは、ヘルプの子にいいひと紹介してくださいとか頼むとか。あと、メールの打ち方とか、かなり悪質だよね」
ヌマさん「夢を売る商売ですからね」
アツシ「結局、店に連行」

リンちゃんが林太郎さんの前に封筒をさしだした。リンちゃんの客のおじいさんがリンちゃんの話を聞いてくれた古地図だった。古地図で仙台を取材している話をしたことで、持ってきてくれたという。
リンちゃんのキャバクラ。老人が地図を出す。
「わたし、ブラジルであてましてね」(朝香宮(あさかのみや) の名刺を出す)
「株式会社パウリスタ?」旧日本円紙幣を出す

林太郎さん「おじいちゃんて、いくつ?」
リンちゃん「たぶん、80くらいだと思うよ」
リョウさん「80って、平均寿命じゃねーの」
リンちゃん「え、そうなの?」
リョウさん「女は85歳、男は80歳だべや」
リンちゃん「へえ」
リョウさん「まあ、平均値を下げているひとがいっからや、若くしての病気とか自殺とかな。80歳まで生きた人達だけの、また平均ってのはまた違うんだけっとな」
林太郎さん「でも、来るんだね」
リンちゃん「来るよ。ぜんぜん問題ない」
リョウさん「まあ、そんなふうに年取るのもいいんでねすか?」
リンちゃん「うーん。でも、基本キャバクラに来るのは、接待とか飲み会の流れ以外はちょっと病んでるんだよ」
林太郎さん「病んでる?」
リンちゃん「たいていは、家庭で浮いてるんだよ。話聴いてくれないし、臭いとか、はげてきたとか、そういうこと言われて、さみしんだよ」
林太郎さん「我が身だ」
リンちゃん「若い子はね、若いんだから他で彼女作りなさいと言いたくなる。」
林太郎さん「それはそうかも」
リンちゃん「実際ね、普通のおんなのこの考えている感覚は、キモイ悪い客の金で成り立ってる仕事とはいえ… 病むよねって感じなんだよ。で、結果、簡単に言うと、『やる愛なんかねーよ』。リョウさんのはちがうから。仕事をもっと理解してほしいってのはあるし。 どうゆう商売かわかってないのに特別を求めないでっていうのはあるんだけど。でしょ?」

リョウさんのマニュアル)
●外見

衣装化粧美笑 外見がダメだと、中身を見てもらえない
●求めるもの
お客様のタイプと喜ぶことはなにかを考える お客様の立場で考えるようにしてみる

自分の欲しいお客様が他の子指名なら 「○○ちゃんがどこらへんがよかったのか」 を聞いてみる
演じる 「日常」はお客様、こっちはアイドルタレントのつもりで。
●内面
ハートでぶつかる。ハートが通じたお客様は、強いお客様になる。
あせるとすべてが不自然
●話しかた
会話がうまく続かなくて困るなら、お客様に質問していろいろ教えてもらうこととほめること
「覚えていないお客さま」は、来ないから。→覚えてなくて当然 「私のこと覚えてますか~」と切り返す。
ほめることがないときは 「○○さん楽しい!」 「○○さんに呼んでもらえただけで幸せだよ」

「好き」とは言わない。→お客様は「好き」を聞きたくって、追いかけてくる
●接し方
お客様のタイプを分けて考える ポジショニング:恋愛関係から友達関係 インターバル:せっかち(ムード系の店好き)、気長(騒がし系の店好き)
●色恋

「好き」と言ってしまうと、あとで恨まれたりする可能性ある。

話には「間を作ること」←印象的になる
● 断る
「不規則だから、昼間の約束は難しいんだ」 「普通のOLさんと逆だから、家のことでいろいろ忙しくて、ゴメンネ」

「ほんと、行きたいなぁ」といったん 受け止める「でも今日は、お店の友達と、久しぶりに飲みにいくから残念です。」=残念とつけて、理由をつける=「次回いらしたときにでも、時間が合うと行 きたいねっ!」次回に来ればという条件で伸ばすお客様として見込みが高いか低いかで分けること
●切り方
色恋含めて、お客様からは切れるけれど こっちの方からは絶対に切ってはいけない 切りたいときは、嫌われるようにする
●メール

メールのパターン 日記、事件(誕生日、イベント)。心配、気遣い、ほめ。お礼、お誘い。
ネガティブなメールはネガティブなお客様を引き寄せる。メールは、ポジティブな明るさで「いいこ」の感じにする。「うれしい」「楽しい」「幸せ」にお客様のしてくれたことを具体的につけて話す
来ないお客様でも長い目でみると、切捨てないほうがいいメールしていると、煮え切らなくなって、店にくる

メールに返信くれた人には、送った人の気持ちを考えてからお返事。 お客様は、常に楽しさや癒しを求めている。
●呼ぶ お店に「来て」というのは「おごってー」というのと同じ。そのくらいに距離を縮める努力をする。洋服で呼ぶ「この日は○○さんと一緒に○○に行こうと思って買っちゃった♪」
たとえ同伴につながらなくても、距離が縮まればそれでOK来て来てばかりは逆効果
見込みのお客様が少なければ反応が少ないのは当然。最初は、片っ端からメールや電話ではなく-「メールに返信きた人」「来店してくれた人」「場内指名をくれた人」に「ありがとう」の気持ちで接することだけを考えて数を増やす。
店のイベント:署名部分に店のイベントを入れてしまう(絵文字つける)イベント作戦は距離が縮まって甘えられる環境にないとムリ
店に繋げる同伴:「じゃあ今度同伴しよう!どこか、おいしいお店知ってる?」 「今までのデートで1番良かった場所~教えて!(連れてって)」
時間を作ってあげる人は、お金を使ってくれる人 ケチなお客様には甘えた言葉を「いつも少ししか会えなくて寂しい」いつも少ししかいないだけだと、当然だめ。「帰っちゃうの・・・?」に『上目使い』や『おねだり光線』でもいい気長く教育
100回のメールより10回の電話、10回の電話より1回のデート
指名客を本当に増やしたいのであれば、メールは遅い。会うほうが早い。ドンドン会う、ドンドン話す、ドンドンメールしてあげる、時間を作ってあげて顧客リストを増やすこと
メールには相手の名前を入れて呼びかける
●電話
電話は元気に明るく楽しさが伝わる様に 「声が聞きたかっただけ…」「○○のこと聞いてもらいたいと思って」 とか、俺を慕ってくれてる感を明るく出す。友達にかけるように。 1~3分くらいに区切って、 なるべく大人数にしよう☆ 心掛けよう!

電話する時間帯 お客様の会社が終わる時間から、家に帰るまでの間
●顧客管理
お客様は鮮度が大事。「生きている」状態の顧客リストにするためには メンテナンス
お客様はABCにわけて考える。お金にならないC]ランクのお客様からのメールは 日記メールを定期的に送るだけでもOK。
● 新規開拓
金曜日は、新規のお客様もたくさん来店する。 フリーのお客様とたくさん出会えるチャンスもある。

● わりきり
お客様は変な人、めんどくさい人の方が多い とあきらめる
仕事として、やるべきことはしっかりやる そもそものお店で働く自分の目的をはっきりさせる 誰もついていっていないような、信頼されていないような店や店長なら離れる


リンちゃん「悪質じゃないよ。リョウさんは、イロコイはその気がないなら一切すんな、って。こんなのくれた。風水のこの声だって」
ヌマさん「ふうすい?」
アツシ「風俗、お水。。。ふうすい」
ヌマさん「ああ」
リンちゃんに紙を渡される。

● 店来い 店来ないなら、連絡してくんな。悪いけど、顔すら覚えてない。お茶じゃなくてお店に来て。店に来ない人は客でもなんでもない。1回しか来てないクセにアホ か。会いたいなら店にこい。店でな。店に来ないくせに調子乗りすぎ。とりあえず、店に来い。毎日メール送ってくるなら店に来い。

ヌマさん「まあ、本音といえば、本音かも」
リンちゃん「これも」
リンちゃんの手に4つ折の紙が何枚かあった。
●おやじ// オッサン、耳元でシャウトしよか。 親父のキモさはすごっ。 キモい。臭い。加齢臭。 デブオヤジ。 オッサン調子のりすぎだね 40後半のオヤジのくせに現実見ろ! 40過ぎの独身おっさんキモすぎ。
オヤジ客は、キャバに真剣な出会いを求めているから怖い。 自分の娘ぐらいの年の女と、本気で付き合えると思う?
●おやじメール// 熟年男がメールに小文字を使うな。 おっさんってメール慣れてないんだろね、メールの文が意味不明。 解らない事が多々ある。40代のおやじがメール返信してると思うと寒気する。 おっさんなのにこの言葉使い!なにごと!! いい年したじじぃが言うことか?。
「きびしいね」
●ポジティブ// 客ってポジティブな奴多すぎ。 なぜそんなに自信あるの?客の自信が自分に欲しいわ。 なぜいつかは好きになってもらえると思うんだろ? 嘘とも気づかない残念な客。 まぢ、客って変な自信があるよね

ヌマさん「…」

●本音// 言葉も出ねーわ。…恐すぎる。とても気持ち悪いです。 あなたに言われたくないな。ストレスハンパない。 まじどーしたら良いの? とりあえず黙って消えてくれないか。ぶっ飛ばすぞ。 殺意。客がなんて答えてほしいのか真剣に悩むw
●上から目線の客// どんだけ上からよ、まじありえない。 何様だよ、うざい。 なんか上から目線にムカつく。 上から目線な言い方しイラつく。

ヌマさん「なんかトラウマになりそう…」


古地図、廃坑)
リンちゃんから贈られた古地図はなかなか色彩もきれいだったので、それをカラーコピーしてそれをベースに仙台の取材をすることにした。かつての名所があったり、いまは変わってしまった道も多くあった。
洞窟で、アツシがそれを見て、「これもホームページに入れたら?」と言った。なるほど、それはおもしろいかもしれない。

林太郎さんが大正時期の地図を広げると、リョウさんが
「そんなことよりや、ここ。ここ掘った方がいいんでねのすかや?」と言って地図を指差した。
リョウさん「『金山廃坑』とここにあっぺや」
タカハシさん「あ、仙台で金が採れたんだ」
林太郎さん「亜炭は向山でとれましたけどね」
タカハシさん「金採れたんだね」
リョウさん「今、出ないのすかや」
ヌマさん「出ないから、『廃坑』なんでしょ」
林太郎さん「でも、リョウさん、めのつけどころいいですからね。もともと、ここを発見したのだって、リョウさんが地図から『エゾ穴』よいう文字を見つけたからですからね」
リョウさん「金山の廃坑を利用したキノコ栽培ってあっけどなぁ」

林太郎さんはタカハシさんとリンちゃんとその翌日「そこ」に向かった
空き地はあるけど、その先に大きな老人福祉施設があった。
「これ、ここから出るんなら、この施設を建てるときに金が出ているんじゃないの?」林太郎さんは、そう言いつつ「でも、一応この空き地、売りに出ていないかだけでも調べてみますか」と継いだ。

タカハシさんと林太郎さんは三居沢のほうまで歩いた。ここは不動さまが祀られているがいつもなら水が滝のように流れている。冬の時期に、水が凍り流れなくなることもあるが、この時期に水が干上がってるのも妙だと思った。広瀬川のほうに降りると、山面のほうの水が干上がっていた。

宮城県仙台土木事務所河川班のプレートがある。護岸工事か、あるいは水害を怖がる河川住民のための土砂の掘削のために水を堰き止めて他に流しているんだろう。愛宕のあたりの中洲も自然体系的には貴重な中州があったが、もう半分は掘削されてしまった。年内にはすべて中州が無くなるらしい。
林太郎さん「自然体系どうなるの?」


洞窟株式会社に来る人たち [ カテゴリ未分類 ]
ここにはカッパドキアの洒落た洞窟ホテルを意識したような
カフェスペースがあったが、カフェで営業していたわけではない。
(そのスペースにカフェの前は卓球台が卓球台が置いてあった)
どうやって、この洞窟をみんなが知ったかといえば、クチコミだけだ。
「ここ」を宣伝する意味はまったくなかったし、むしろ、隠しておかなければ「公」に知れて強制退去のニュースになるだけだと思っていた。


借地借家法上の居住権というものがあり、契約期間が来ても家主の都合で一方的に追い出されない権利(借地借家法28条※)があるが。これに該当するわけもない。
昭和40年ころに、梅田川に続く下水川があり、その上に板を渡して、家を建てていた地域があった。「ぼくのいる絵葉書」という本のなかで作者の永六輔さん が土地をもてないひとたちが川に板を渡して住居にしているとしてたしか関西の方で撮影した写真を掲載していたが、そのたぐいに見えた。
いつのまにか、その川は暗渠になったのかしっかりした建物になって現在も数戸が住んでいる。払い下げがあったのか、わからない。
ここに住み続ければ、居住権が生まれるのか?とも思ったが、実際は撤去の対象になるだけだろう。

広瀬川には不法に建てられた庭園や畑やテント(ホームレス)が澱橋から仲の瀬橋にあり、また仙台の北の方を流れる梅田川には、川に侵食した庭やほったて小屋があり、いずれも仙台市から「撤去してください」の注意が打ち付けてある。


※借地借家法28条  建物の賃貸人による第二十六条第一項の通知又は建物の賃貸借の解約の申入れは、建物の賃貸人及び賃借人(転借人を含む。以下この条において同じ。)が建 物の使用を必要とする事情のほか、建物の賃貸借に関する従前の経過、建物の利用状況及び建物の現況並びに建物の賃貸人が建物の明渡しの条件として又は建物 の明渡しと引換えに建物の賃借人に対して財産上の給付をする旨の申出をした場合におけるその申出を考慮して、正当の事由があると認められる場合でなけれ ば、することができない。

クチコミの内容の多くは、林太郎さん・ヌマさん・リョウさんのいた「生産経営実務」つまり、職業訓練校の管理者養成プロジェクトの同窓生だ。それから、アツシやリンちゃんが連れてくる知り合いという感じだった。


「生産経営実務」というのは、7ケ月のカリキュラムだ。1ケ月のパソコン操作というものがあり、次に、6ケ月の本講義がはじまる。この本講義が3ケ月ごと に、メンバーの半分が卒業し、その分、入学するシステムになっている。つまり、7ケ月の間に、先輩と同期と後輩を持ち、その先輩も、後輩もまたそれぞれの 先輩と同期と後輩を持つので、創始以来つながりつづけるおもしろい仕組みなのだ。
だから、洞窟に来るおじさんは、実は、ほとんどが管理職経営者であり、同じ講座を受け、ほとんど同じ先生を知っているのだった。
「生産経営実務」のほうは林太郎さんが企画を立てるためにアポイントを取って呼んだ。まれに、町でばったり会ってというものもあった。だから、会社の会議室や応接セットコーナーに来るのと同じ感覚でいた。

アツシは、ほとんどの仕事をネットカフェのパソコンや、NPO関係施設にある無料で使えるパソコンで仕事をしていた。だから、いつも、ハードディスクを大事そうにソフトケースに入れて移動していた。
そのネットカフェで、よく逢うひとに帰りのエレベータで声をかけて街でお茶をして、ここに来るというようなスタイルになっていた。
リンちゃんは風俗嬢をつれてくることはなかった。たいていは、「それ」をやめたひとたち(彼女はそれを「ともだち」と呼んでいた)、ともだちを連れてくるという感じだった。
当初リョウさんが、「おれはここにスカウトに来てるんだぁ」とムダ口を叩いていたため、リンちゃんはともだちに「リョウさんとは話しないように」と言っていた。
リンちゃんやアツシは、せいぜい自分の関わっているカフェに呼ぶような感じだった。


ただ、洞窟は、コハルがカフェのように運営していたので、コハルを目当てというのではないが、洞窟になんとなく時間を過ごしに「そのまま通う」ひとがいたということに過ぎない。

「場所がある」というのはそれだけで違うのだ。

「ここにいけばだれかがいる」という場所は、商業ベースにそれを演出している飲み屋を除けば、実は仙台にはなくなりつつあるような気もする。

コハル)
コハルは9時には洞窟に来ていた。そして、3時以降にだれかが来ると。基本的には、帰った。まるで学校にでも来るように、土日は来ない。洞窟に行けば、とりあえず、コハルは居た。コハルを目当てに、40歳くらいの障子貼りをやっているという職人が来ていたこともある。
しかし、彼は1つも技を披露することなく、ここでコーヒーを飲んでいっただけだった。
林太郎さんは、コハルに「コハルちゃんは、居るだけでなんか空気をなごやかにしてくれるのがすごい」と言っていた。そういえば、林太郎さんはコハル、リンちゃん、アツシによく「ありがとう」を言う。なんかをもらっている感をいつも持ってくれているのかもしれない。

リョウさん「コハルってメイドさんだったのすか?」
ショウタ「いやー、メイドカフェでしょ」
リョウさん 「ドレスエプロンのすか?」
ショウタ「うーん。ちょっとちがうかも、それリョウさんトンカツのキッチンあじやまイメージしているでしょ。ドレスエプロンのお店」
リョウさん「んでねぇっちゃ、冗談だぁ。知ってっぺしたぁ。アキバとかのだべ」
ショウタ「うーん」
リョウさん「あれ、どうみても、主人の姿じゃねぇおんな、客が『いらっしゃいませー、ご主人様』って、言われてや、おどおどしているのがご主人様だおん」
ショウタ「客がオタクだからでしょ」
リョウさん「夫を召使のように扱う妻は、召使の妻になり、夫を王様のように扱う妻は、王様の妻になれる、って言葉あんですとわ」

次第に、ここに訊ねてくるひとたちが増えたので、洞窟のことがあまり知れてはよくないだろうということで、対岸のドラム缶でできた椅子のところでの相談室というものになった。



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